鳥取県にある日本百名山「大山」(だいせん)へ登ってきた。
愛知県を拠点に夫婦で日本百名山めぐり中、登山記録などを発信。
私は47歳から登山を始め、夫は57歳から運動をスタートした。
体力に自信がないので「無理のない安全登山」を大切にしながら計画。
これから登山を始めたい方、同世代で百名山に挑戦してみたい方の参考になれば幸いです。
大山、皆生温泉をめぐる2泊3日の旅程
【1日目】6月22日(月)鳥取へ移動&観光
5:00 愛知県を出発(マイカーで約7時間半)
12:30 「青山剛昌ふるさと館」
14:00 ホテルへ移動(マイカーで約1時間)
15:00 モンベル大山でお買い物
16:00 「ホテル大山しろがね」宿泊
【2日目】6月23日(火)登山&温泉
7:00 朝食
8:00 大山登山
14:37 下山
14:50 皆生温泉へ移動(マイカーで約30分)
15:20 皆生温泉「游月」宿泊
【3日目】6月24日(水)帰路
朝食後帰路
大山の歩行ルートと標高グラフ
大山は、鳥取県西部の日本海近くにそびえたつ独立峰。
最高地点は剣ヶ峰(1,729m)で中国地方の最高峰。
剣ヶ峰は立ち入り禁止のため、弥山(みせん)1,709mが実質山頂となる。
登山口から弥山までの標高差929mをおよそ10等分し、100m前後登るごとに合目がある。
歩行ルート:
ホテル大山しろがね → 南光河原 → 大山山頂 → 行者谷分岐 → 大神山神社 → ホテル


日本百名山 大山(だいせん)
・標高 1,729m
・歩行距離 7.7㎞
・歩行時間 6時間33分(休憩1時間27分を含む)
・累積標高差 のぼり1,001m/くだり1,000m
・登山口 南光河原
・駐車場 南光河原駐車場50台
・トイレあり(登山口トイレ、6合目携帯トイレブース、頂上避難小屋トイレ、大神山神社)
・登山適期 4月下~11月
リハビリ登山で選んだ大山
夫は手術のためしばらく運動ができず、体力が大きく低下した。
リハビリは1時間程度の山から始め、少しずつ距離を延ばし、3時間程度の山まで歩けるようになった。
次の目標は5時間前後の山行。
その条件に合い、適度な標高差があって体力の確認にも最適な大山を選択。
これまでのリハビリの成果を確かめながら、無理のないペースで次のステップに挑むことにした。

前日は登山口近くのモンベルショップでウェアを新調。夫は黄色とオレンジの鮮やかなウェアを選び、「パプリカカラーだ!」とすっかりご機嫌。新しいウェアを着て歩くのを楽しみに、テンション高めで翌朝を迎えた。
ところが、朝からまさかの雨。スタートからレインウェアを着ることになり、せっかくのパプリカカラーはカッパの下へ…。楽しみにしていた鮮やかな装いは誰にも見えず、少し切ない登山のスタートとなった。
途中から霧雨に変わり、ようやくカッパを脱ぐことができた。待ちに待ったパプリカカラーのウェアもようやくお披露目。せっかく選んだお気に入りの色が見えるようになり、夫もうれしそうだった。
こういう小さな楽しみがあるから頑張れる。登山は景色や達成感というご褒美もあるけれど、長い登りやきつい坂はやっぱり苦行。その苦行の合間に、お気に入りのウェアで気分が上がる時間も、登山の楽しみのひとつだ。

大山の様子
6月末、まだ梅雨明け前だったが天気予報は晴れ。貴重な梅雨の晴れ間を期待して出かけたものの、実際はガスと霧雨、小雨の一日だった。気温20℃、出発時の天気は小雨、カッパを着てスタート。












雨にぬれた大山の森は、晴れの日とはまったく違う表情を見せてくれた。木々や草花は雨粒をまとってキラキラと輝き、霧が漂うブナ林には幻想的な雰囲気が広がる。悪天候というよりも、この時期だからこそ出会える美しい景色だった。
大山には西日本最大級のブナ林が広がり、豊かな自然を満喫できるのも魅力のひとつ。登山道沿いではエゾアジサイやヤマボウシが見頃を迎え、雨にぬれた花々は一層鮮やかに映えていた。梅雨の大山は足元こそ注意が必要だが、この季節ならではのしっとりとした美しさを楽しめる山でもある。



大山で特に印象的だったのは登山道の整備状況の良さ。
危険箇所は少なく、道標や案内板も充実している。一合目、二合目と現在地が分かる表示が続くため、「あと少し頑張ろう」という目安になり、長い階段登りが続く山ながら精神的にはかなり楽に歩くことができた。



登山口から弥山までの標高差929mをおよそ10等分し、100m前後登るごとに合目がある。


3合目あたりまでは傾斜がゆるやか。


山の中からエンジン音が聞こえてきた。
登山道から少し離れた場所を、トロッコに乗った作業員の方が登っていく姿が見えた。
登山道の整備や安全管理をしてくださる方々がいるからこそ、安心して山を楽しむことができるのだと実感。
多くの人に支えられて登山ができていることへの感謝を感じた。




残念ながら展望はほとんどなく、景色は真っ白。
雨は強くなくカッパなしでも歩ける程度だったのが幸い。





六合目避難小屋には、休憩できるスペース、携帯トイレブースがある。
梯子を使いロフトに上がることもできる設備があった。






大山はトイレ設備が充実しており、登山口駐車場トイレのほか、避難小屋や山頂にもトイレが設置されている。避難小屋には携帯トイレブースも整備されていて、長時間の登山でも安心感がある。
携帯トイレブースは慣れるまでは少し抵抗があるかもしれないが、いざという時には本当に心強い存在。こうした設備が整っているおかげで、安心して登山を楽しめる環境が支えられていると感じた。



七合目から登りが急にきつくなってきた。


階段が崩れていてい「ヨッコイショー」と言いながら登る。



八合目から突然景色が変わり、なだらかな木道になった。



木道整備のため、この登山道は通行止めとなっていた。
九合目の標識は、この通行止め区間に設置されているようで、今回は見ることができなかった。


晴れていたら360度パノラマの絶景だったであろう。


九合目付近の石室は、急激な天候悪化で行動が困難になった際に、一時的に身を守るための避難施設として造られた。
1921年(大正10年)に建設され、現在も緊急時の避難場所として位置付けられている。
木道整備のため迂回ルートを歩いたことで、石室だけでなく山頂付近にある神秘的な池にも立ち寄ることができた。地蔵ヶ池か梵字ヶ池かは判別できなかったが、静かな山中にたたずむ池は幻想的な雰囲気に包まれ、大山が古くから信仰の山として親しまれてきた歴史を感じさせる風景だった。



大山頂上避難小屋に到着。気温は15度で、霧雨が降る中、山頂付近らしいひんやりとした空気に包まれていた。
避難小屋にはトイレや売店が整備されており、登山者にとって心強い休憩場所となっている。天候が変わりやすい大山では、こうした設備のありがたさを感じる。




大山山頂に到着したものの、残念ながら霧に包まれ景観を楽しむことはできなかった。
晴れていれば360度の大パノラマが広がり、遠くは隠岐の島や蒜山、さらには四国の剣山や石鎚山まで望むことができるという。今回は見ることは叶わなかったが、いつか晴れた日の山頂からの絶景を眺めてみたいと思わせる場所だった。



分岐点からの帰路は、行者コースへ進んだ。
六合目を過ぎ、五合目手前の分岐から行者コースへ入ると、いきなり急な下りが始まる。足元に注意しながら慎重に進む必要がある区間だが、夏山登山道とは異なる山の表情を楽しめるルートでもある。


突然雰囲気が変わり、河原にでたが水は流れていない。


河原を超えると、緑の草木、アジサイなど花が咲き乱れていた。
行者登山口にでた。



大神山神社奥宮の立派な寺社建築が姿を現した。その迫力ある佇まいに、思わず足を止めて見入ってしまうほどだった。



登山をしていなければ、訪れることもなかったかもしれない場所。山を歩くことで、自然の美しさだけでなく、その土地に残る歴史や文化にも触れられることが、登山の大きな魅力だ。



またトイレがあった、助かるなぁ。


ホテルしろがね駐車場にて大山登山終了。
おつかれ山
日本百名山について思うこと
日本百名山というと難しく険しい山をイメージしがちだが、大山は想像以上に歩きやすかった。
もちろん体力は必要だが、登山道はしっかり整備され、道迷いの心配も少ない。駐車場やトイレなどの設備も充実している。
むしろ地元の低山のほうが道標が少なく、急登や滑落リスクのある場所も多いように感じる。
初心者だから百名山は無理と考えるのではなく、「整備された百名山を選ぶ」というのも良い選択肢ではないかと思った。
前泊|ホテル大山しろがね
今回は登山口まで徒歩約5分の「ホテル大山しろがね」に前泊した。
宿泊者はチェックアウト後も駐車場を利用できるため、早朝から登山を楽しみたい人には非常に便利。
さらに事前に予約すれば登山用のお弁当(800円)も用意してもらえるので、行動食の準備に悩む必要もない。
夕食・朝食ともに料理のクオリティが高く、快適な客室と行き届いたサービスを含めて、宿泊料金は1泊約15,000円とは思えないほどの満足度だった。
登山前日にゆっくり身体を休め、万全のコンディションで大山に挑みたい人には、ぜひおすすめしたい宿。
お部屋
気になるのは、ベッドサイドで携帯電話を充電しながら眠れるかどうか。幸いベッドランプの下あたりにコンセントがあり、一安心。細かいことだけれど、登山前夜は翌日に備えてしっかり充電できる環境があるとうれしい。
前回登った安達太良山では、山頂は震えるほど寒かった一方、下山するにつれて熱中症になりそうなくらい暑くなった。その経験から「温かい飲み物」「冷たい飲み物」「常温に近い飲み物」の3種類があると快適だと実感。
そこで今回は部屋に備え付けのポットで前夜にお湯を沸かし熱湯を水筒へ。翌日にはちょうど飲みやすい温度の白湯になっていた。もう1本の水筒には、朝食会場で氷水を分けてもらい、白湯と氷水の2本体制で大山へ向かった。





登山弁当
チェックインの際に登山弁当を注文できる。翌朝の朝食時に受け取る。保冷剤まで付けてくれるので暑い時期でも安心。
おにぎりは思わず二度見するほどのビッグサイズ。おかずや漬物もどれも丁寧な味付けで、とても美味しかった。ボリューム、味ともに大満足のお弁当で、山頂で味わう登山の楽しみのひとつになった。



夕食











朝食



後泊|皆生温泉「游月」
大山を下山後は、車で約30分の皆生温泉(かいけおんせん)「游月(ゆうげつ)」へ向かった。
日本海を望む皆生温泉は、大山登山の疲れを癒やすのにぴったりの温泉地。登山で流した汗を温泉でゆっくりと流し、美味しい食事を味わう時間は、この山旅を締めくくる最高のご褒美だった。
今回宿泊した「游月」は、設備やサービスの質が非常に高く、それでいて宿泊料金は1泊2食付きで一人23,100円とリーズナブル。これだけのクオリティでこの価格には驚かされ、山陰エリアの宿泊施設のレベルの高さを実感した。伊豆エリアで同等クラスの宿であれば、5万円以上しても不思議ではないと感じるほどだった。
今回の旅では、前泊を大山周辺にして早朝から登山を楽しみ、下山後は皆生温泉でゆっくり疲れを癒やすという行程を選んだ。アクセスの良さに加え、登山と温泉の両方を満喫できる満足度の高いプランで、大山を訪れるならぜひおすすめしたい組み合わせである。


お部屋









夕食











朝食ブュッフェ

皆生温泉「ゆうげつ」の天空露天風呂で極上の癒やし時間
今回の山旅で特に印象に残ったのが、宿泊した皆生温泉「ゆうげつ」のお風呂。
最大の魅力は、屋外にある「インフィニティ天空露天風呂」。
屋根のない開放感あふれる造りで、空と海が湯船と一体になったような感覚を味わえる。
温泉に浸かりながら眺める景色は、まさに非日常。大山登山で疲れた身体を癒やすには最高の時間だった。
※浴場内は撮影禁止のため、写真は公式サイトより引用。
さらに嬉しかったのが、風呂上がりに用意されている冷えた炭酸水のサーバー。火照った身体に染み渡る一杯は、シンプルながら極上の幸福感を味わえるサービスだった。
登山後の温泉というだけでも十分贅沢だが、皆生温泉ゆうげつでは、景色・温泉・細かな心遣いまで含めて、旅の満足度をさらに高めてくれる。
大山登山の後泊先として、ぜひ組み合わせたい宿のひとつだと感じた。




名探偵コナンの世界を楽しめる「青山剛昌ふるさと館」
移動がスムーズにいき時間に余裕があったので、鳥取県北栄町にある「青山剛昌ふるさと館」へ立ち寄った。
ここは、『名探偵コナン』の作者である青山剛昌さんの生まれ故郷に建つ記念館で、作品の世界観や創作の裏側を楽しめる人気スポットだ。
館内には、原画や貴重な資料をはじめ、キャラクター紹介、作品制作にまつわる展示などが並び、コナンファンはもちろん、作品をあまり知らない人でも楽しめる工夫がされている。
特に印象的だったのは、実際に作品の世界へ入り込んだような体験ができる展示や、コナンに登場する小道具・仕掛けを楽しめるコーナー。細部まで作り込まれた展示から、長年愛され続ける作品の魅力を改めて感じることができた。
館外にもコナンのブロンズ像や関連スポットが点在しており、街全体で作品を盛り上げている雰囲気が楽しい。鳥取を訪れる際には、大山登山や山陰観光と合わせて立ち寄りたいおすすめの場所だ。















山の天気に翻弄された大山登山
登山前の天気予報は「晴れるかもしれない、でも霧に包まれるかもしれない」という何とも判断の難しい予報だった。登山自体は可能そうだが、山頂からの景色が見られるかどうかは運次第。
期待を胸に登山を開始したものの結果は小雨。カッパを着込みながら歩くことになった。さらに山頂付近は濃いガスに包まれ、残念ながら景観はほとんど望むことができなかった。
「晴れを期待して登るべきだったのか」「天気が崩れる前に諦めるべきだったのか」……正解は今でも分からない。
しかし雨に濡れたブナ林や霧に包まれた山の雰囲気は、晴天の日には見ることのできない幻想的な景色でもあった。山の天気は思い通りにはならないからこそ、その時にしか出会えない景色がある。
山歩きの奥深さを感じた一日だった。


帰路には少しずつ天候が回復し、山の輪郭がわかるほどに晴れ間が広がり、富士山を思わせる美しいシルエットを見せてくれた。
今回は山頂からの景色を楽しむことはできなかったが、天候の変化も含めて大山の魅力を感じることができた山旅となった。
次回はぜひ青空の下で、大山から望む雄大な景色を楽しむために、また訪れてみたい。
しらたき最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。
それではハッピーな人生を(^o^)/


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